男性の家事分担、なかなか進みません。やるべきとは思っていてもできずにいる男性、そもそも分担に納得いかない男性、そんな男性に困っている女性…。いろいろな人がいるでしょう。しかし男性も家事をすることで、家庭の雰囲気や機能がアップします。
この記事では、そもそも男性が家事を分担するべき理由についてまとめます。男性にピンときてもらうために、ビジネス的な発想で解説したいと思います。家事をなぜやらなければならないのか理解できない男性、やらなくてはいけないと感じてはいても後回しになってしまう男性はぜひお読みください。パートナーにも分担してほしいと思う女性も参考にしていただければと思いますが、とりあえず理論武装というより考え方のイメージづくりにとどめておいてください。男性に理解してもらうための方法については別の記事をご用意する予定です。
家庭を会社にたとえて考える
まず、家庭を会社にたとえて考えてみましょう。その場合、外で働いてお金を稼いでくる「仕事」は、会社で言うなら商品を売って利益を得る「営業」や商品を作る「製造」に当たるでしょう。これをお読みの男性の皆さんは、そっちが大事、男はそれをやってるだろ、と思うかもしれません。
では「家事」の方は、会社で言えば何に該当するでしょう?管理人は、社内のこまごましたことを取り仕切る「総務」やお金をやりくりする「経理」などに当たると思っています。
そしてちょっと考えてみてください。総務や経理なしで、会社は回りますか?
直接部門と管理部門
「おれは外で稼いできている」、そう思っている男性の中にも、総務など管理部門で働いている人はたくさんいるでしょう。あなたの仕事は会社では不要ですか?なくても会社は困らないでしょうか?営業職が管理部門を軽く見てくるのを苦々しく思ったりしていませんか?
管理部門は直接利益を生まない部署ですが、管理部門がないと会社は成り立ちません。それと同じように、家事を担当する人がいないと家庭は回りません。
「おれは直接部門(営業や製造)で会社に利益をもたらしている」と思っているあなた。では管理部門なしであなたの仕事は完結しますか?あなたが売り上げたお金を管理しているのはあなたですか?あなただけであなたの仕事はできますか?
やっぱり直接部門も管理部門も、どちらが上とか下とか片方は必要だけどもう片方は不要とか、そういうことではないんだと思います。ただ果たすべき役割が違うだけ。それぞれ補いあうことで全体が成り立ちます。家庭も同じです。家事も仕事も、家庭には必要なんです。
そう考えると、そもそも家事を軽く見てはいけないということがおわかりいただけるかと思います。
家庭も多能工化で生産性がアップする
そして、性別を問わず、仕事も家事もできる「多能工」になると家庭の生産性がアップします。多くの会社で生産性アップのため多能工化が進められていますよね。それと同じです。
しかし家庭の「生産性アップ」って何よ?と思われるかもしれません。ざっくり言うと、2点あると思います。
- やらなければならないことのクオリティが高まる
- 家族に余裕ができて休める、メリハリがつく
です。ちょっと詳しく見てみましょう。
「量=質」とも言える
仕事の質って、量で決まる面もあると思いませんか?たとえばお店での仕事。接客・会計・品出し・発注…。いろいろな業務ができる人は仕事に安定感があります。そしてたとえば会計ひとつ取っても、現金・クレジットカード・電子マネーなど、対応できる決済の種類が多いほど頼りになります。これは言い換えれば、できる仕事の量・数が仕事の質を高めているということです。
パーフェクトな出来でなくても、接客しながら手が空いたら発注も済ませて…みたいに業務をこなしていくと、どんどんタスクが済んでいきます。そうすると余裕ができるので、仕事の合間にちょっとした整理とかできたりします。それって、お店としてレベル高いですよね。
工場でもいろいろな製造機械を操作できる人は、多能工として人手が薄いところや急を要するところに回って作業できます。ボトルネックのフォローができるということです。工場全体の流れをスムーズにしてくれる存在だと言えます。
いろいろできるとみんなの満足度がアップする
もちろん、いろいろできるようでいてすべて及第点以下のクオリティ、というケースもあるかもしれません。その場合は確かに問題です。しかし次の2人を比べたらどうでしょう?
- 100点のクオリティでできるけど1つの作業しかできない人
- 80点のクオリティだけど10種類の作業ができる人
どっちが頼りになる?と考えると、ふつうは80点で10種類こなす人でしょう。で、家庭も多能工になると頼りになるし、家庭の生産性もアップするんです。家事も仕事もできる人が多いと、家庭がうまく回るようになります。満点の出来でなくても、です。
多能工がいるとこなせる仕事の種類と量が増えます。こなせるタスクの量が増えることで、全体の質も高まります。そのおかげで自分の家庭の生産性がアップして、あなたも家族も満足度がアップするという結果がもたらされます。
休むため、楽するための生産性
家庭生活にクオリティとか生産性とか言うなよ、家にいるときぐらい休ませろよ、という気持ちもわかります。だからこそ、先に挙げたメリットに「休める」が入ってます。というか、管理人も休むの大好きです。休みましょう。みんなが休めるようになるために、みんながタスクにかける時間や負担を減らしたいんです。
それを前提に、もうちょっと家庭の生産性の話をさせてくださいね。
多能工がいると臨機応変な対応ができる
たとえば男性は休み、女性は昼過ぎまで子どもの用事で外出、という場合。男性が料理できないと、女性が食事の用意をしておいてから出かけるか、帰宅してから料理するかしかありません。あるいは男性が子どもの用事を担当するか、ですね。
でも男性も料理できれば、女性が用事を済ませている間に男性が食事を用意しておけます。理由があって女性が用事を担当しなければならない場合でも、女性の食事準備の負担を減らせます。
このように、多能工がいると臨機応変な対応が可能になります。家事ができるのが1人だと負担がかかりますが、2人できれば片方だけに過度な負担がかかるのも抑えられます。
しかも本当は仕事と家事だけではない
で、ここまででは単純化するために触れてないんですが、家庭のタスクって
- 仕事…お金を稼ぐ
- 家事…家の中を整える
のほかに、ちょっとニュアンスが違うものとして
- 対応…収入にはならない外部とのやり取り 例:銀行・役所などの手続き、医者・習い事などの送迎、学校などの面談
というタスクもあるんですよ。これをお読みの男性は、せいぜい自分が熱心な習い事の送迎ぐらいはやっても、たぶんそれ以外はほぼお任せですよね??
この「対応」は時間と場所が決まっていて拘束されることが多いので、融通がききにくい。そのせいで仕事や家事と重なるとすごく負担になるんですよ。そのときに多能工がいると本当にスムーズに進められるし、できることが増える、すなわち多くのタスクをこなして家庭の生産性が上がるんです。自分の家庭がよくなる、うまく回るということです。
あと、お金のやりくりも家事とも対応ともちょっと違うようにも思います。家の中を整える、ということの一環とも言えますが…。
なぜ男性は家事に参加しない/できないのか?理由と対策
では、家事は男性も分担してやるべきなのになぜ参加しないのか、できないのかについて考えてみましょう。よく言われることではありますが、次の3つが理由として挙げられます。
- 男性の意識
- 女性の意識
- 習慣・企業文化など外的要因
ここまで男性に厳しめの内容でしたが、男性を擁護したくなる面もあります。1つずつ見ていきましょう。
男性の意識
…と言っておきながら、初めに厳しめのことからです。やっぱり男性の意識がまだ甘いというのは確かに確実にあります。家事はやってもらうのが当たり前と思っていたり、単にめんどくさいと思っていたりします。
やはり、男性も相応に分担するという意識が必要です。また、男性が家事に参加することは、自分の家庭の生産性にかかわる自分事だという意識も必要です。別にパーフェクトな生産性を求めようというわけではありません。今よりちょっとよくしようとか、遅れを取らない、困らないレベルをキープしようという話です。
女性の意識
女性の意識にも「やってあげなきゃいけない」という義務感や親切心があって、それが男性を甘えさせてしまっている原因になっているケースがあります。また、男性がチャレンジしようとしても、女性の期待値ほどできないときに怒られたりしてしまってできなくなってしまうこともあります。
女性の意識については別に記事をまとめようと思いますが、意識を変えるべき女性がいるのも事実です。
習慣・企業文化など外的要因
個人の意識だけでなく、社会や会社などの習慣や文化が原因になっている面もあります。昔ながらの「男は外で働き、女は家を守る」という規範?習慣など。そのせいで、男女公平に家事と仕事をやろうとしても邪魔されてしまうことってありますよね。さらにこの考えが男性男女を問わず個々の意識に影響を与えてもいます。
でも、そもそも女性が働かなければ社会が成り立たないようになっています。なのでこれまでの考えは破綻してるんですよね。逆戻りさせようという考えの人たちもいますが、実際無理ですよね。男女とも働くことを前提に、歪みとなっているところを整えていくのが現実的でしょう。
あと非常に大きいのが、長時間労働です。男性も別に遊んでいるわけでなく、長時間労働は多くの男性にとって大きな負担です。長時間労働のせいで物理的に家事の時間を取れない、ということも珍しくないでしょう。管理人も、昔は会社が家から30分の所にあるのに朝7時半に家を出て夜10時ぐらいに帰宅する生活をしていました。そのころは、平日には家事なんてほとんどできませんでした。
これについては家庭で対処できることは少ないかもしれません。ただし残業しなくて済むように努力したいところです。早く仕事を終わらせる、早く帰れる社内の雰囲気を作るなどなど。なかなか難しいケースもあるかもしれませんが…。
まとめ
男性も家事を分担すべきということがおわかりいただけたでしょうか?この記事では理由を中心に解説しました。具体的にどのように意識を変えていくか?といった部分については、またあらためて解説したいと思います。
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