せっかく料理を作ったのに失敗することってありますよね。慣れている人でもあることなので、まだ不慣れな人はどうしても避けられないもの。誰もが通る道なので失敗そのものはやむを得ないと思うのですが、せっかくなら次に生かしたいですよね。
この記事では、料理を失敗してしまう理由は何なのか、そして失敗しないためにどんな対策をしたらいいのかまとめました。レシピ通りにやっているつもりなのに何かうまく行かない、レシピに頼らず料理したら失敗した、そんな人はぜひお読みいただき、次へのヒントにしてみてください!
失敗が入り込む要素を考える
まず、料理ではどんなポイントで失敗してしまうのか、失敗が入り込む要素を考えてみましょう。
料理の多くは、材料を集めて切って、火を通して味付けするという流れで作ります。言い換えれば、料理とは「食材×調理方法×味付け」です。つまり、この3つの要素のどこかで失敗しているはずだということになります。「食材」は食材の組み合わせとカット、「調理方法」は主に焼く、煮るなど加熱、あとは味付け。これらのどれか(またはいくつか)のやり方に原因があるのではと考えられます。
というわけで、要素別に考えられる失敗とその対策について解説していきます!
食材の組み合わせの失敗例と対策
まず、食材と食材の組み合わせ。味に限定すれば、これで失敗することはあまりないのでは?と思います。とくにレシピを見て作っているなら、まあ大体はヘンな組み合わせにはなっていないはず。栄養とか食べ合わせとは別ですが、そもそも食べ合わせは迷信のようなものも多いですし。
ただし食材同士の組み合わせの良し悪しはなくとも、食材と味付けの組み合わせには合う/合わないがあります。これまたオリジナルでやるときの注意点ですが…。要注意は魚介類と発酵食品ですね。魚介類はとくに生よりも塩辛とか干してあるとか、加工してあるもの。発酵食品は納豆とかチーズなどです。
まずい料理の例を検索してヒットするのは、ドラえもんに出てくる「ジャイアンシチュー」。これは塩辛入りで、実作してみるとその扱いが難しいみたいです。でも、塩辛+バター+じゃがいもの炒め煮はめちゃくちゃ美味しいんですよ!塩辛自体がダメなわけではないのです。たぶん味付けとの関係なんですよね。
というわけで、魚介類と発酵食品は生臭さや発酵臭が際立たないよう注意しましょう。とりあえず普通にありそうな組み合わせなら、たぶんほぼ問題ないと思います。レシピ通りに作るなら問題ありませんが、注意すべきはオリジナル料理を作るときですね。初めは冒険しない方が無難です。
切り方の失敗例と対策
食材については、切り方で失敗している可能性もあります。具体的にいうと、大きさ・厚さが均一でないケースです。これもまた切り方そのものが問題というより、加熱との関係ですね。加熱したときにムラができたり、じゅうぶんに火が通らないせいで失敗する場合があります。
できるだけ均一に切るよう意識しましょう。カットした1片同士の大きさ、1片の厚さのムラなどに気を付けます。
…なのですが、厚さのムラについては家庭料理ではそれほど気にしなくてもいいように思います。不揃いになってしまっても結構カバーできますし、よほど差がない限りは許容範囲かと。あまり神経質にならなくても大丈夫です!
というわけで、料理の失敗の大部分は加熱と味付けが原因です。
加熱の失敗例と対策
加熱で失敗してしまうケースは多いと思われます。生焼け・生煮え、焦げてしまった、生のところと火が通りすぎのところと両方できてしまった…といったパターンがあるでしょう。
対策の基本は次の3つです。
- 火が通りにくいものから加熱する
- 強すぎない火でじっくり加熱する
- まめにチェックする
まず火が通りにくいものから順に加熱していくようにします。具体的には固いものと大きいものですね。あと味ではなく安全性・衛生面からになりますが、しっかり加熱しないといけない食材も同様です。とくに豚肉でしょうか。
焦がさない限り、火が通っていないよりは火が通りすぎの方がマシだと管理人は思います。焦がさないためには、強過ぎる火力ではなくちょっと火加減を弱めてじっくり火を通すようにします。料理に不慣れな間は、早くしなきゃと慌ててしまいがちです。火を弱めておくことは気持ちの余裕にもつながります。
あとですね、不慣れな間ってわかりやすい基準が欲しいんですよね。たとえば、数値やつまみの位置など。しかし発想を転換しましょう。基準はあくまで食材の火の通り具合です。見るべきはつまみをどこまで動かしたかよりも食材のようすです。そろそろ火が通るかなと思ったら、鍋の中のようすをまめにチェックしましょう。それ以外は鍋の中の沸騰具合や汁気の量、火の強さ・大きさそのものを見ることですね。
チェックについては、少し食べてみるのが一番確実です。食べなくても、ようじや串で刺してみてすっと先が通るかどうか確認しましょう。めんどくさいと思うかもしれませんが、少なくとも経験を積むまでは分析や確認は必須ですよ。
ここまでは加熱方法を問わない共通のポイントについてまとめました。以下、加熱方法別のポイントも解説します。
炒め物の場合
炒め物の失敗対策としては、固い食材・火が通りにくい食材は中火で時間をかけて加熱するとよいでしょう。例を挙げるとじゃがいもやにんじん、あとさっきも言った通り肉もですね。どのぐらいの大きさ・厚さに切るかにもよりますが…。
先に鍋に入れてじっくり火を通すほか、あらかじめ別に炒めておいたりレンジしておくのも1つの方法です。あとは火が通りやすいように、小さめ/薄めに切るとか。
キャベツとかは生でも食べられるじゃないですか。あとにら・ほうれん草などは余熱で火を通すぐらいでも結構大丈夫です。そういう食材はそんなにしっかり火を通そうと思わなくても問題ありません。
炒め物は強火&短時間!と言いますが、それはプロの意見。慣れるまでは中火でいいです。
煮物の場合
煮物は、生煮えと焦げ付きに注意ですね。生煮え対策は簡単です。そろそろいいかなと思ったらようじや串で刺してチェックしましょう。まだなら加熱を続けるだけです。
焦げ付き対策は次の2つです。
- 煮汁の量をときどきチェックする
- ときどき混ぜる
火にかけていると煮汁は蒸発して減っていきます。火にかけたあと完全ほったらかしにするのは危険です。汁気がなくなると焦げてしまいます。体感としては残りが少なくなるほど加速度的に減っていきます。汁気が減ったら火が通っているかチェックして、通っていれば火を止めて完成。通っていなかったら必要に応じて水を足しましょう。その場合はいったん火を強め、沸騰したら弱めて火が通るまで加熱します。
また、とくにカレーやシチューなど汁気がどろっとしている料理は、ときどき底をこそげるように混ぜましょう。具は重いので底に溜まります。その状態で加熱され続けると焦げ付きの原因に。溶け切っていないルウが底に溜まっていることもありますよ。
ゆでる場合
ゆでる場合は、食材ごとにポイントが違うように思います。
パスタやうどん・そばなど麺類は1本食べてチェック。ちょうどいい具合になったらゆであがり。それだけです。
ブロッコリーは意外に時間がかかるため、生煮えになりがちに思います。管理人は、ブロッコリーはお湯でゆでるのでなくゆで蒸しにしています。小房に分けたブロッコリーをフライパンに並べ、50~100mlぐらいの水を加えて蓋をし2~3分中火で加熱、火を止めて蓋をしたまま2~3分余熱で火を通すだけ。そっちの方が楽な気がします。
青菜はどちらかというと、ゆで過ぎてしまいがちではないでしょうか。それほどじっくり火を通す必要がないので、短い時間でさっとゆでたいところです。2~3株ぐらいずつ小分けにしてゆでるかお湯の量を増やしましょう。一度にたくさんゆでると、お湯の温度が大きく下がり再沸騰するまで時間がかかり、その間に余計に火が通ってしまいます。たっぷりのお湯でゆでれば短時間で済み問題解決です。
さらに面倒でなければ、ゆでるときは葉を入れないよう茎だけゆで湯に浸し、ふっと柔らかくなったら葉を浸してすぐ上げてしまいます。そうすることでシャキシャキ感の残った仕上がりに。
次はゆで卵。固ゆでと半熟に分けて解説しましょう。固ゆでなら、鍋に卵と水を入れて火をつけ12分ぐらい加熱、水で冷やすだけ。半熟卵の方は、まずお湯を沸騰させていったん火を止めます。そこに冷蔵庫から出したばかりの卵を、お玉などでとにかく本当に優しくそっと入れて火を付けます。好みによりますが6分~6分30秒ぐらいゆでて水で冷やしましょう。これが一番失敗しない安定した方法という気がします。
なお殻がキレイに剥けないのはゆで加減のせいではありません。しっかり冷ますこと、薄皮に水を入れながら剥くよう流水や水の中で作業することで対策可能です。
揚げ物の場合
揚げ物は、大体温度が高すぎて焦げることが多いのではないでしょうか。バリエーションとして、表面だけ焦げて中は生の場合もあります。
素材によりますが、基本は170~180度ぐらいの中温で揚げるのがポイントです。180度以上の高温は、火が通りやすい魚介類などを短時間で揚げるときと心得ましょう。つまりは油の温度が高くなり過ぎないようにすることが基本です。
油の温度は、温度計なしでも大まかに把握する方法があります。菜箸を油に入れたときにできる泡を見ます。
- 細かい泡が静かに立つ…低温(150~160度ぐらい)
- それより大きな泡が立つ…中温(170~180度ぐらい)
- 大きな泡がぼこぼこと勢いよく立つ…高温(180度以上)
火加減をまめにチェックしながら温度を保つようにしましょう。温度が高すぎると外だけ一気に加熱され、中まで火が通りません。ただしあまりに慎重になりすぎて温度が低すぎると油っこい仕上がりになりがちです。最低、上記の低温ぐらいの温度を保ちます。
少量ずつ揚げるという方法もあります。ただし、油の温度が安定してうまく揚げやすくなる反面、タネを全部揚げるのに時間がかかって冷めてしまうというジレンマも。
味付けの失敗例と対策
味付けの失敗は、薄すぎる、濃すぎるのどちらかでしょう。失敗しないためのポイントは3つ。大胆ではなく慎重に、が基本です。
- いきなり多めに入れない
- 調味料を足すときは少しずつ
- まめに味見する
味付けは一発で決めないと美味しくなくなるという人がいますが、それもまたプロの話。感覚をつかむまでは味見しながら少しずつ味を足していきましょう。何種類か調味料を合わせるときは、あらかじめ混ぜておくのが基本。焦らずに済みます。でも塩コショウは別の気がします。なぜなんだろ…?
味付けも、慣れないうちは焦ってしまうんですよね。そういうとき、なぜか「一応多めに」と調味料を多く入れてしまいがち…。しかし多めにして味が濃くなるとリカバーできません。少なくとも大変です。よってむしろ「一応少なめに」ぐらいがちょうどいいです。
そのうえで、味見しながら少しずつ足します。味見は、調味料を混ぜて全体に行き渡らせてから。煮物は数分待ってなじませてからの方が正確です。
足すときは、初めに入れた量の1/3~1/2ぐらいずつにしましょう。同じ量入れてしまうといきなり倍ですからね。とくに塩気(塩・しょうゆ・味噌など)は少しずつで。またちょっと細かいんですけど、しょうゆは容器から直接鍋に入れるとドボドボっと入りすぎる可能性があります。いったんスプーンなどに取って加えましょう。
ちなみに、しょっぱくなったから砂糖を足すなど、ほかの味で中和しようと思っても無理です。多少はごまかせますが…。
濃過ぎた場合のリカバーは難しいので、予防が基本です。炒め物なら、お湯にちょっとつけてからお湯を切るという離れ業もなくはないです。ただし食材をムダにしなくて済むものの、炒め物とは言えなくなります。あとは食材を足すという方法もあります。ただしこちらも足したものは火の通り具合が違ってしまうなど、何事もなかったかのようにはごまかせません。別で炒めて味付けせずに混ぜたら大丈夫かな…。
なお煮物のリカバーの方法は後ほどまとめます。
塩気の話
塩分は食材の量の1%ぐらいが目安とされます。100gの食材なら1gの塩分ということです。…でも100gがどれぐらいかなんて、普通わからないですよね汗。大体の目安は次のような感じです。
- 鶏もも肉…1/2枚
- じゃがいも(M)…1個
- にんじん…2/3本
- もやし…1/2袋
- ほうれんそう…1/2束
ちなみに塩分1gというと、食塩なら小さじ1/5、しょうゆなら小さじ1、味噌なら小さじ1と1/2ぐらいです。
なお塩味は、調理法別に感じやすさが違います。
煮物に入れる→炒め物に入れる→上からかける
の順に感じやすくなっていきます。上からかけると感じやすいということで、薄味に作っておいて最後に上からかけるのが調整しやすいかもしれません。減塩にも役立ちます。
また塩気は熱いと感じにくく冷たいと感じやすくなります。言い換えれば、熱いと多く入れがちということです。冷まして食べる料理を熱いうちに味見する場合は、薄味ぐらいにしておきましょう。あるいは塩気はあとで付けると割り切って、冷ましてからふりかけるスタイルですね。
あとついでに言いますが、料理酒には塩が入っています。
もしかしたら、そのせいでしょっぱくなっている可能性も。
煮物の注意点あれこれ
煮物の味見はタイミングにちょっと注意が必要です。慣れるまでは、煮始めたときのチェックはやめましょう。煮物は、煮ているうちに水気が飛んで煮詰まっていきます。それを見越して調味料の量を決めるべきです。レシピもそうなっているはず。
そのため煮始めは薄味ぐらいがちょうどよいです。うっかり煮始めで味見してちょうどよい濃さにしてしまうと、煮込んだあとは味が濃過ぎになってしまいます。10分以上煮るようなときは、ある程度煮込んで汁気が飛んでから味見しましょう。なお短時間さっと煮るだけなら、初めに味見しても問題ありません。
煮物を味付けするときは、煮汁の量はあまり意識する必要がありません。見るべきは具となる食材の量。その量にはどのぐらい調味料が必要かで考えます。ただしカレーやシチュー、スープのように汁そのものをいただく場合は別です。
濃過ぎた場合のリカバー方法ですが、鍋から煮汁を取り分けて代わりに水を足します。それによって味を薄められます。煮汁はすぐ捨ててしまわず、薄くなり過ぎた場合の調整に使いましょう。
まとめ
料理の失敗は誰もが通る道。ただし次に生かしましょう。リカバーするのは大変なので、失敗を予防するのが基本方針です。リカバーしなくて済むよう、感覚をつかむまでは慎重にやりましょう。
料理は楽しいです。失敗に萎縮せず、次の料理にチャレンジしてみてください!
このブログが気になったら、ぜひ「ABOUT」もお読みください。